お前はあらゆる頂上の深さである

今日はお前を私が読むだろう、そしてお前は私のなかで生きるだろう

【ゆっくり解説】アニメ『日常』再評価の歴史:動画内の出典と註釈

【ゆっくり解説】アニメ『日常』再評価の歴史

www.youtube.com

こちらの動画で引用した画像の出典や、情報の註釈をまとめています。

 

 

 

 

サムネイル:アニメ『日常』オープニング内の一場面

ゆっこ・みお・麻衣がリズムを取って踊っているこの有名なショットは、『日常』前期OPの0:15~0:17から。担当されたアニメーターは佐藤達也さん。

 

 

00:00 『日常』の海外人気:イントロダクション

00:00~海外版『日常』15周年記念単行本ボックスセット

動画内で引用した画像は次のリンクから。

kodansha.us

https://www.animecornerstore.com/nibgrno.html

 

『日常』15周年記念ボックスセット(nichijou 15th anniversary box set)の収録内容は次の三点。興味がある方は購入してみてください。
①『日常』単行本10巻セット(英語)
あらゐけいいち描き下ろしボックスアート
③『日常』ポストカード(イラストは雑誌表紙絵の再録)

 

00:20~漫画『日常』単行本1巻・10巻、あらゐ先生の自画像

単行本表紙は1巻・10巻から。

あらゐ先生の自画像はツイッターアイコンから。

あらゐけいいち (@himaraya) | Twitter

 

00:26~『月刊少年エース』表紙絵

左は『日常』10巻収録「日常の192」(雑誌での最終回)が掲載された2015年12月号、

右は『日常』の連載復帰回「日常の193~195」が掲載された2021年12月号から。

ちなみに『日常』連載開始は2006年12月号からなので、周年で揃っていることが分かります。

 

00:40~Eテレホームページ内に特設された『日常』紹介ページ

web.archive.org

 

00:52~アニメ『日常』本編内の一カット

右上:第二話「日常の6」

左上:第二話「日常の5」

右下:第二話「日常の8」

左下:第五話「日常の20」

 

01:02~アニメ『日常』本編内の一カット

第十四話「日常の58」

 

01:18~アニメ『日常』本編内の一カット

右:第十三話「(タイトルなし※「エデン」の後に置かれた最後のエピソード))」

左:第二十五話「日常の109」

 

01:38~海外版『日常』15周年記念単行本ボックスセット販売告知

ボックスセットの発売元がKodanshaになっていて一瞬戸惑いますが、これは、『日常』版権がKADOKAWAから移動したというわけではなく、米国での販売元を講談社現地法人Koansha USに委託しているだけのようです。

 

 

02:05 『日常』の海外人気:英語圏のアニメランキングから

02:10~「My Anime List」

引用したバナーは「about」のページより。

myanimelist.net

月刊PV数2億7千万のソースは以下の記事から。

mediado.jp

月間利用者数1,800万人、月間ページビュー数2億7,000万PV、世界230ヵ国以上のユーザーが利用する世界最大級の日本アニメ・マンガのコミュニティ&データベースです。2005年に誕生し、開設以来23万件を超える日本のアニメ・マンガに関する情報や口コミ、ランキング等がユーザーにより投稿され、海外ファンにとって重要な情報の入手経路となっています。また、彼らのアニメ視聴、マンガ購読のリスト管理のために、なくてはならないサイトとして支持されています。

 

なお、「My Anime List」のランキング高順位の作品が名作なのは間違いありませんが、高順位でない作品が決して駄作というわけではありません。

動画内でも触れていますが、間違っても低評価値だからといって落胆したり、駄作認定をして回ったりしないようにお願いします。

あくまで参考程度に。

 

02:22~「My Anime List」内『日常』ページ

myanimelist.net

 

02:32~「My Anime List」内『日常』評価値グラフ

グラフは著者が作成。縦軸の数値は、My Anime List内で評価値が付与されている各アニメの合計値(12500作品)。作品集計については、2022/4/20時点でのランキングにて、概算を取りました。

動画内で示した通り、『日常』の評価値はトップクラスに高く、グラフの赤い部分の層に属しています。

 

02:53~「My Anime List」ユーザー評価ランキングの補足

この記事を書いている2022/05/03時点でのランキングトップは『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(score9.14)、次点が今期放送の『SPY×FAMILY』でした(score9.09)。

ただ、直近で放映されている作品はランキングの変動幅が大きく、この先評価値を維持し続けるかどうかは分かりません。『SPY×FAMILY』が優れた作品なのは間違いありませんが、動画内では敢えて言及しませんでした。

 

03:07~「Forbes.com」にて『日常』が言及されているページ

「Forbes」ロゴは下記サイトから。

Forbes com Vector Logo - Download Free SVG Icon | Worldvectorlogo

『日常』が紹介されているのは「The Best Anime Of The Decade - 2010 And 2011」。

動画内で紹介した通り、2011年を代表するアニメ5選の中に『日常』が選ばれています。

www.forbes.com

Absurdities abound in this bizarre slice of life comedy. Ostensibly about three high school girls, it's a wild ride through extraordinary events in ordinary settings. From a pint-sized professor and the robot caretaker she surreptitiously designed to store snacks, to a handsome upperclassman who rides a goat to school, our protagonists encounter one odd situation after another through a series of comedic sketches. But no matter how off the wall the story gets, its dedication to the realistically awkward teen girls who must navigate it gives it heart.

 

03:26~「Crunchyroll」/「paste magazine」にて『日常』が言及されているページ

『日常』が紹介されている記事は「Crunchyroll Editorial's Top 100 Anime of the Decade: 25-1」「paste The 30 Best Anime Series of All Time」

web.archive.org

Everyone loves a relatable slice-of-life series… but these girls’ days are anything but ordinary. Nichijou appears on the surface to be a standard relatable-situations series. Once you’re past the peppy vocals of Nico Nico legend Hyadain, though, anything goes. There’s a tiny mad scientist and her clockwork robot. There’s schoolgirls suplexing each other and quoting Urashiman. There’s a guy who rides a goat. All this, paired with its charming art style, makes it impossible to look away.    – Kara Dennison

www.pastemagazine.com

Based on Keiichi Arawi’s manga of the same name, Nichijou excels in hyperbolic depiction of everyday life. Largely an absurdist take of the slice-of-life genre, which reached critical mass around its inception in 2011, Nichijou turns familiar tropes into devastating punchlines. Along with superb animation courtesy of Kyoto Animation, Nichijou’s irreverence is ultimately dedicated to the awkward avenues teen girls travel on their way to adulthood, and often the fear of pointing out life’s most insane moments that comes along with burgeoning public self-image. It’s a fun juxtaposition that follows up on the legacy of Azumanga Daioh and continues to influence animated comedy to this day. —Austin Jones

 

 

03:36 『日常』の海外人気:英語圏の二次創作から

03:49~海外ファンによる合同誌(Fanzine)"DAY DREAMS"(2015)

tumblrの作品紹介ページから、冊子に収録されていたファンアートを閲覧することができます。

https://nichijouzine.tumblr.com/post/136568719198/wuzidan-my-submission-for-day-dreams-a

nichijouzine.tumblr.com

主催者はアーティストのRebecca Shieh氏。

作品紹介ページはこちら(現在は販売終了済)

 

03:52~手描きMAD「Procrastination」(2021)

アニメ『じょしらく!』(2012)のED映像を『日常』のキャラクターに差し替えた手描きMAD。

YouTube再生回数は2022/05/03時点で854万回、作者は香港のアーティスト・Pear氏。

じょしらく』EDに用いられた「ニッポン笑顔百景」は作詞・作曲が前山田健一ヒャダイン)なので、楽曲提供者繋がりから『日常』キャラクターを描いたのかもしれません。

www.youtube.com

 

03:57~海外のグラフィティ・アーティストの描いた『日常』キャラクター

Instagramより、作者アカウントは@creative_mad_one。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by HVTE (@creative_mad_one)

www.instagram.com

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by HVTE (@creative_mad_one)

www.instagram.com

ちなみに、動画内では紹介しませんでしたが、スペイン・マドリード周辺では、『日常』から阪本さんのストリートアートが発見されています。

r/Nichijou - Spotted in Northern Madrid!

www.google.com

 

 

03:59~[『日常』の大型合同同人誌「DUNGEONS & FRIENDS」(2021)

販売ページはこちら(現在は取り扱い終了)

dungeonsandfriends.carrd.co

実際の冊子はこんな感じ。

 

動画内で引用した画像はツイッターアカウント(@NichiZine_RPG)より。

ちなみにツイッターは現在も活発に動いていて、『日常』ファンによる二次創作を発信したり、リツイートしたりしてくれています。現在どんな『日常』ファンアートが描かれている知りたい方におすすめ。

 

04:10~手描き動画「nichijou reanimated」(2022)

EDのスタッフロールが圧巻です。

www.youtube.com

 

第一話の音声を丸ごと使用している関係で、youtube上では公開停止になっていたのですが2022/5/3時点では復活していました。

権利関係的にはグレーな作品ですが、それでも大勢の人が関わった労作という評価には変わりないと思います。

 

04:22~ニコニコ動画「日常MADリンク」タグのアーカイブ
動画内で紹介した通り、『日常』の放映から10日間(2011/4/14)で、100件以上のMADが投稿されています。

web.archive.org

そして半年後(2011/09/25)には、1200件以上のMADが投稿されていました。

web.archive.org

 

 

 

04:30『日常』の海外人気:ヒットした理由の考察

04:44~『月刊少年エース』2021年12月号(『日常』連載再開号)が品薄状態に

「品薄状態」云々は筆者の経験に即していますが、他の箇所でも起こっていたことがいくつかの証言から確かめられます。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

twitter.com

使用した画像(「日常の193」冒頭)は下記リンクより。


05:00~アニメ『日常』はEテレを観ていた当時の子供世代だけでなく、動画配信サイトを経由して現在の子供世代に視聴されている

引用した画像は下記リンク。

www.amazon.co.jp

 

動画配信サイトにて子供世代に視聴されている話のソースは、たとえば次の二つ。実例は探せばもっとたくさん出てくるかも。

togetter.com

 

05:12~『日常』はビジュアルからしておかしいので海外層も面白く感じやすい?

英語版『日常』=『nichijou』vol.1(Vertical Comics, 2016)を撮影して転載。

ページ数は動画内にも掲載した通りP176, 146, 69。

 

05:22~京都アニメーションの作画と音楽

背景に使用したのは『日常』前期OP映像の冒頭(0:01)と、第十七話「日常の69」。

 

05:44~英語吹き替え版BD

英語吹き替え版BD『Nichijou: My Ordinary Life- The Complete Series』パッケージイラストより。

https://www.amazon.co.jp/Nichijou-Ordinary-Life-Complete-Blu-ray/dp/B07QLB7TWX

 

06:00~「reddit」での『日常』の話題数( metrics)

グラフの出典はこちらのサイトから。

frontpagemetrics.com

 

動画内では2017年以降のデータに絞っていますが、サイトでは2012年からの話題数を確認できます。『日常』英語吹き替えBDの発売が大きな衝撃を海外層に与えたことが、改めて窺い知れると思います。

 

なお、このデータを見る限り、2021年以降の話題数は『日常』再連載の発表直後がピークで、2022年に入ってからは話題数は落ち着いてきているようです。

ただこの原因は、海外勢が雑誌連載の『日常』を追いかけることが難しい(海外向けの翻訳も単行本発売もまだである)からなのでしょう。

 

 

 

06:27『日常』の海外人気:幅広い世代に浸透した末に、海外層にも届いた

06:28~昭和世代向けネタ

キン肉マン』ネタ…『日常』1巻3ページ

まんが道』ネタ…『日常』1巻118ページ

『櫻画報』ネタ…『日常』1巻149ページ

 

06:40~『日常』単行本1巻の発売(2007年)直後に書評を掲載した雑誌

ばるぼら「WAM BOOK 私のハマった3冊」(「週刊アスキー」2007年9月25日号、アスキー

吉田大助「マンガだからこそ表現できる“笑い”がみっしり詰まった傑作!」(『SPA!』2007年11月27日号、扶桑社)

宮昌太朗「ギャグのトビ方が凄まじい!」(『STUDIO VOICE』2007年11月号、INFASパブリケーションズ

ばるぼら「萌え×不条理ギャグ×ドリフ×アスキー文化」(『Quick Japan』vol.75、太田出版

 

ちなみに、あらゐ先生への単独取材を最初に敢行したのも、サブカルチャー雑誌『STUDIO VOICE』2007年12月号でした。(「あらゐけいいち 桁外れの異次元的創造力!」)

 

 

 

07:23『日常』の国内評価:イントロダクション

07:27~アニメ『日常』を配信している動画サイト

ここではHuluのサムネイル画像を引用しています。

www.hulu.jp

 

07:44~PC画面の前で落ち込む教頭

『日常』第十一話「日常の45」より

 

08:05~『日常』は特定の数字に着目すると「売れなかった」という典拠

wikipedia『日常(漫画)』内には、次のような記述があります。2022/5/3閲覧。

ja.wikipedia.org

 

その典拠として挙げられているのは、『4gamer.net』掲載の前山田健一田中公平の対談記事。「田中公平氏とヒャダインこと前山田健一氏の対談が実現。前山田氏が「このままじゃ大丈夫じゃないことが分かりました」と語った訳は……?」

www.4gamer.net

4Gamer
 DVDやBlu-rayが売れる作品と,テレビで見ればいい作品って,本来は別の軸で評価していいものだと思うんですが,パッケージが売れるものが圧倒的に正しいみたいな雰囲気はありますね。

田中氏:
 「日常」も面白かったのに,パッケージでは売れなかったですし。

4Gamer
 NHKでも放送されるなど,別の形の広がり方は見せたんですけど。
 結局,作品のジャンルや特性ごとに, パッケージの販売というだけではなく,適切な売り方を考える必要があるということなのかもしれません。

 

田中氏は作曲家として著名とはいえ、『日常』の制作には関わっていないため、典拠としては弱いように思われます。

ですが、公式サイドが「売れなかった」などと明言するはずがありませんし、一般ネットユーザーの発言はより根拠を欠きます。

wikipediaでは、「アニメ業界人」かつ「『日常』に肯定的な評価を寄せている」田中氏の言葉を、角の立たない折衷案として典拠に載せているのでしょう。

 

 

 

08:43『日常』の国内評価:「アニメBD・DVDの売上を見守るスレ」の影響

08:56~海外アニメランキング人気作の一例

上に紹介した三つの海外アニメランキング首位を一例として挙げています。

・『カウボーイビバップ

…「Paste Magazine」アニメランキングの首位。動画内で引用したのは北米版DVD完全版パッケージイラスト。

www.amazon.co.jp

・『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST

…「My Anime List』の評価値首位。動画内で引用したのはBlu-ray Disc Boxのキービジュアル。

www.hagaren.jp

・『進撃の巨人』…

「Crunchyroll」アニメランキングの首位。動画内で引用したのは「Final Season」のキービジュアル・

animestore.docomo.ne.jp

無論、これ以外にも人気作は数多く存在するのは言うまでもありません。

 

09:09~結局は自分の感性が物を言う

動画内で取り上げた星野源「日常」は2011年発表、アルバム「エピソード」収録。星野源は『日常』の愛読者を公言しているので、この楽曲も『日常』を意識しているように思えます。

ちなみに、「エピソード」収録の「喧嘩」には、《きみはなかなかにぬかしおる》という歌詞も出てきていました。

www.youtube.com

natalie.mu

また「日常」が収録されているアルバム「エピソード」の初回特典には、あらゐ先生の描き下ろし4コマ漫画のついたペーパー「デラ新聞」が付いてきました。

星野源とあらゐ先生はほかにも関連があり、星野源公式ホームページのトップページイラストをあらゐ先生が担当していもします。

 

09:25~世界一売れているハンバーガーとコーラは世界で一番美味いに決まっている

加藤元浩『Q.E.D.証明終了』32巻63話より。

kc.kodansha.co.jp

 

09:32~「アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ」

動画内で引用したのは2011年4月3日に立てられたスレッド。「売りスレ」の歴史と文化、隣接するスレッドについて掘り下げていくと、それだけで解説動画が一つ作れてしまうので、ここでは深くは追及しないでおきます。

yuzuru.5ch.net

 

09:40~株式会社オリコン

動画内で引用した会社ロゴはこちら。

ファイル:Oricon Logo 2017.svg - Wikipedia

会社概要はこちら。

www.oricon.co.jp

 

09:50~「覇権」「爆死」

ニコニコ大百科「覇権アニメ」「爆死」の記述を参考。

dic.nicovideo.jp

dic.nicovideo.jp

2ちゃんねる5ちゃんねる)の売りスレアニメDVDBDの売り上げを見守るスレ)内で使われる用で、各クールにおいて映像ディスクBDDVD)のオリコン推計売り上げ枚数の各巻均が最も多い深夜アニメに対してこの言葉は使われる。

ほとんどの場合、深夜アニメ映像ディスク1クールなら全6巻、2クールなら全8~12巻程として発売されるのが一般的である。アニメ同士で売り上げ枚数を競う習慣のある売りスレでは、映像ディスク巻数の異なるアニメ同士がに争うために、各巻の売り上げ枚数を均しBD分とDVD分を合算した累計均と呼ばれる数値で序列をつけることになっている。

この累計均によって定められる序列において1位となるアニメが覇権アニメとして認定される。

爆死とは売り上げが乏しかった作品を揶揄する際に用いられる喩表現である。
何を以って売り上げが乏しいかを判断するかはこの言葉を使う人それぞれの基準であり(中略)もしあなたがある作品について和やかにりたい場合は、この言葉は使わないことをお勧めします。

なお、売り上げが乏しい=「爆死」と表現されるに至った経緯は、2005年頃、2ちゃんねる掲示板ーム業界、ードウェア2ch掲示板』にて、ゲームソフトの売上速報を海外掲示板に書かれるリーク情報から得ることがしばしばあり、そこで集計できないほど少ない売上のソフトに使われていたワードbomb」から。その煽り的な用法と呂感の良さから、「爆死」として多方面に普及した

 

なお、動画内の画像『ハケンアニメ!』はアニメ制作現場を舞台にした辻村深月の小説であり、「ハケン」は一番の話題作ぐらいの意味合いで使われています。

 

10:40~「売りスレ」は半年で1600ものスレッドを消費した

4月3日のスレッド「3957」は上にリンク、10月3日のスレッド「5660」は以下のリンクより。

hato.5ch.net

 

 

10:39『日常』の国内評価:「売りスレ」からの攻撃

10:59~「売りスレ」の拡散には「2ちゃんねるまとめブログ」が加担した

2011年当時、2ちゃんねるのスレッドを収集・転載する「まとめブログ」は破竹の勢いであり、最大手となると月間1億PVを誇っていました。

gigazine.net

動画内でも触れた通り、一部の「まとめブログ」は、PV数を増やしたいがために過激な話題を求め、「売りスレ」に辿り着きます。結果、「売りスレ」はますます衆目を引くようになり、2ちゃんねるの外でもアニメ作品を映像ソフトの売上で評価を固めるネットユーザーが生まれてしまいました。

「売りスレ」を拡散し、ひいては『日常』を叩く風潮を形作った「まとめブログ」について、ここでは具体的な記事を紹介することはしません。

一つ、そうした「まとめブログ」に輪郭を与えるとするなら、2ちゃんねるが特定の「まとめブログ」に転載禁止を言い渡したニュースが挙げられるでしょうか。

www.itmedia.co.jp

ここで警告された指定された「まとめブログ」のうちのいくつかは、「売りスレ」の拡散に大きく関わっていました。

 

11:13~アニメDVD・BD売上一覧(京都アニメーション

参照にしたのは「アニメDVD・BD売り上げ一覧表まとめWiki」より。各作品のBD/DVD1巻売上数を抜き出して引用。

※サイト内には「制作会社別の売上数」をまとめた一覧がありましたが、何を集計したデータであるのか一切明記されていなかったため不採用。

w.atwiki.jp

京都アニメーション作品(2006~2011年)DVD・BD1巻の売上数

2006年 涼宮ハルヒの憂鬱    36,095
2007年 らき☆すた               38,671
2007年 CLANNAD                 27,834
2009年 けいおん!                 53,472
2009年 涼宮ハルヒの憂鬱二期  39,408
2010年 けいおん!!            74,601
2011年 日常                        *5,296

もっとも、動画内で引用したこの数字も、過信は禁物。

 

オリコンランキング➡2ちゃんねる売りスレ➡まとめwikiと転載を繰り返している

まとめwikiの構造上、第三者が改竄が用意に行える

 

ため、まったく厳密ではありません。

本来ならばファクトチェックをするべきですが、今回の趣旨は映像ソフトの正確な売り上げ枚数にはないので、手間を省略して動画内での注意喚起に留めています。

 

なお、映像ソフトの売上で調べると、サイトや引用者によってかなり数字にもばらつきがみられることが分かります。これは、

 

・BDとDVDを合算した数字とそうでない数字

・累計平均(総売上数を映像ソフトの発売巻数で割った数値)と、発売初週の出荷数

・累計平均の算出方法の差(売上数非公表の映像ソフトを「数値0」とするか「除外」するかで数値に違いが出る)

 

が混同されたまま、引用者が拡散していった結果だと考えられます。

 

11:39~アニメ『日常』スレッドを荒らす「売りスレ」住人たち

こちらのスレッドを参照。

kamome.5ch.net

 

12:16~オリコン有料サービス「you大樹」

ロゴは次のリンクより引用。

ranking.oricon.co.jp

 

12:24~京都アニメーションのヒット作品(2000年代後半)

画像は公式ホームページの作品紹介記事バナーより。

www.kyotoanimation.co.jp

 

 

12:56『日常』の国内評価:Eテレ放映と子供人気

12:56~Eテレ放映版『日常』予告(30秒ver)

拾い物の映像であるため詳細は失念。

冒頭部分に『日常』の前番組であったアニメ『ファイ・ブレイン 神のパズル』第一シリーズの映像が入っているため、2011年12月の土曜夕方に放映されていた予告か。

 

13:05~Eテレにて再放送されたアニメ作品

ラブライブ!』は2016年、『SHIROBAKO』は2020年に、『日常』と同じ土曜夕方の枠で再放送されています。

eiga.com

www6.nhk.or.jp

 

13:11~『日常ディレクターズカット版DVD-BOX』

パッケージ画像は以下のリンク先より。

www.shinonome-lab.com

 

13:24~再放送を希望する番組を募るEテレHP「Eテレ お願い!編集長」

以下のアーカイブより引用。

web.archive.org

 

 

13:54『 日常』の国内評価:女性人気

13:56~『日経エンタテイメント!』2012年10月号
特集「女子がときめく少年マンガ・アニメ・ラノベ」、日経BP社発刊。

 

14:14~アニメ雑誌御三家のうち、『アニメージュ』だけ『日常』を取り上げていなかった

厳密には、『アニメージュ』にも、2011年1・3・4月号に『日常』の番組宣伝記事が掲載されています。

ですが、アニメの放映が始まった2011年4月以降、特集記事がなくなってしまいます。これは他の大手アニメ雑誌アニメディア』『Newtype』が、アニメの放映時期に当たる4~9月、特集記事にページを割いていたのとは対照的でした。

(『アニメージュ』7月号にはキャラ弁企画にみおと阪本さんがチョイスされている、という変化球の企画がありましたが)

 

動画内では、『アニメージュ』が『日常』を取り上げなかった理由について、「『アニメージュ』の読者層と『日常』の視聴者層が異なっている」と考えられていたためではないか、と考察しています。

しかし、これは推測に過ぎないので、もしかしたら他の理由があったのかもしれません。

 

14:23~『Free!』と『日常』『氷菓

『Free!』の画像は京都アニメーションの公式ホームページから。

www.kyotoanimation.co.jp

動画内では、「『日常』『氷菓』が女性層を集めたため『Free!』の制作に繋がったのではないか」と書いていますが、こちらについても憶測にすぎません。参考程度に聴いておいてください。

 

 

 

14:32『日常』の国内評価:SUGOI JAOAN入賞から海外へ

14:32~「SUGOI JAPAN AWARD」2015

動画内の記事内容は、下記のリンクより引用。

www.itmedia.co.jp

web.archive.org

 

 

15:11~2021年発売の特典冊子付の英語吹き替え版『日常』Blu-rayボックス

『Nichijou - My Ordinary Life The Complete Series Limited Edition + Digital』を指しています。

特典冊子には、日本で発売されたDVD・BD「特装版」ジャケットイラストや、あらゐ先生描き下ろしイラストを収録。

特装版を持っていないのであれば、日本語圏のファンであっても「買い」の商品だと思います。

www.amazon.co.uk

 

 

15:25 「何が起こるか分からない、だから面白い!!それが野球ってね!!」

15:26~「何が起こるか分からない だから面白い!! それが野球ってね!!」

『日常』6巻158ページより。

 

15:37~ 中南米では名言として紹介されている

「Nunca se sabe lo que va a pasar… ¡Y eso es divertido! ¡De eso se trata el béisbol!”」でググってみると、中南米の野球チームが確かに「何が起こるか~」を引用していることが分かると思います。

動画内で引用したのは

ニカラグア野球代表チーム応援アカウント(多分非公式アカウント)

ニカラグアの野球チーム「エスタディオデニス・マルティネス」(多分非公式アカウント)

・メキシコプロ野球チーム「ラグナ・ユニオン・コットンファーマーズ」(多分公式アカウント)

・メキシコプロ野球チーム「サルティーヨ・サラペメーカーズ(公式アカウント)

 


ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org


www.facebook.com

ja.wikipedia.org

 

16:32~『日常』タイトルロゴ

wikipedia掲載の『日常(漫画)』記事より。

ja.wikipedia.org

 

 

 

16:41 おわりに

16:42~アニメ『日常』キービジュアル

京都アニメーション公式ホームページから引用。

www.kyotoanimation.co.jp

 

16:54~アニメ『日常』放映当時の評価

アニメ『日常』放映後に発表された批評を列挙しておきましょう。

その批評のタイプは、大きく分けて三つに分けられます。

京都アニメーションが『日常』を制作したという背景を重視しつつ、表題と内容の落差を指摘する文章

藤津亮太「『日常』自然を装う作為、おかしみに」(朝日新聞夕刊、2011年6月4日)
・と~しき「『日常』は非日常? 否、非日常こそが『日常』なのである」(『アニバタ Vol.6』収録、2013)
など

サブカルチャー批評の術語(前回の註釈で紹介した「空気系」「日常系」)を用いて他のアニメーション・漫画作品と比較するような文章

福田淳「「日常系マンガ」が人気…現実離れのステキ空間」(読売新聞夕刊、2011年11月28日)
小森健太朗「《あずまんが大王》から《日常》へ 〈空気系〉概論」(『神さもなくば残念。2000年代以降アニメ思想批評』収録、作品社、2012)
・志津A「『日常系アニメのソフト・コア』イントロダクション」(『セカンドアフター臨時増刊号』、2014)
など

③ アニメ『日常』の地上波放映直前(2011年3月)に発生した東日本大震災と関連付けて、震災の余波が続くなかで『日常』が放映された意味を問う時評

・岡本竜樹・樋口孝司・大窪善人「≪座談会≫マンガ・アニメ『日常』から考える(非)日常のフラグメンツ」(『SOCIOLOGICAL SEMINAR Vol.02』収録、2011)
・鈴木ピク「生まれ来る世界に、おはよう―“日常”以降の京都アニメーション―」(『アニバタ Vol.6』)
など

もちろん、これら以外にも、インターネット上ではさまざまな感想・寸評が投稿されていました。 

 

17:08~未来(おそらく七年後)の東雲研究所

『日常』9巻157ページより

 

17:30~三好一郎さんの担当したエピソード

「ヒヤシンス回」の画像は、第二十話「日常の86」。

「キャンプ回」の画像は、第六話「日常の26」。

「校長と鹿が戦う話」の画像は、第六話「日常の24」。

 

17:42~「Funimation UK & IRE」2021年12月1日のツイート

ちなみにnichijou 15th anniversary box setを発売したKodansha USの告知ツイートにも、鹿の絵文字が描かれていました。

 

 

17:53~あらゐけいいち短編01「邂逅」

あらゐ先生の公開しているアニメーション動画。他の作品も秀逸なので、ぜひご覧になってください。

www.youtube.com

 

17:56~『CITY』に「長野原大介」の名前が登場

『CITY』1巻、162ページ